1階床、内壁解体工事始まる 2011年 7月18日 作成
7月22日 修正

7月14日、津波に浸った1階床、壁の撤去、洗浄消毒の工事が始まりました。
故郷石巻の様子はこちら、ストリートビュー撮影車らしき情報はこちら

解体工事は5人がかりで行われました。
いろいろ平行作業で行われていましたが、先ずは建具の解体、取り外しです。
そのひとつであるキッチンを取り外しているところです。
キッチンを移動させてみると、キッチンのあったところにはヘドロの層、また、対面カウンター部分は赤カビが繁殖していました。
キッチンが取り外された様子です。
その後この対面カウンターも取り外されることとなります。

内壁は津波で浸った高さより40センチほど上の部分にのこぎりで石膏ボードに切れ目をいれ、その下部分をとり外すという作業が行われました。
切れ目を入れるのが手作業ということには驚きました。
もちろん電ノコもありましたが丁寧に行われるんですね。
壁紙、石膏ボードを取り外すのも手作業で行われました。
ビスを外すのはインパクトドライバーを使用していますが、基本的に手作業は時間がかかります。
石膏ボードは板状に、外れるということではなく、崩してゆくという感じです。石膏ボードがなくなると銀河パネルが見えてきます。
内壁の取り壊し工事の概要をまとめた動画です。
玄関の下駄箱も取り外されました。
やはり無理やり壊すということではなく、ビスを外して建具を取り外す作業でした。
取り外す5人部隊とは別に水道周りの下準備をする2人部隊もありました。
その二人はトイレやお風呂周りの水道の止水をしていたようです。
お風呂の止水は結構苦労していたようです。

止水だけではなく排水路系の流れ具合の調査も行っていました。
写真奥の黄色い棒は先にライトがついてて、写真手前の黒い棒は先に鏡がついていて目視で流れ具合を確認していました。
こんな感じで鏡に映った水の流れを確認していました。
ほとんどの経路はヘドロもなく大丈夫そうでしたが流し部分からの経路だけは流れに乱れがあるようでした。

室内では階段下物置の取り外しが進行していました。
階段下にはヘドロが蓄積し、階段部分にはガレキとともに流入した枝泥が貼り付いていました。
ここまでひどかったのかと驚きです。
一日目は建具の取り外しと内壁に関しては洋間のみの作業で終わりとなりました。
スモリの家は金具はすべてステンレス製ということで、写真のようにビス類は錆びることもなく新品時と同様の光沢の状態で取り外されていました。
このような津波被害にあうことは想定外ではありましたが、こんなところでステンレス性能が発揮されるとは思いませんでした。
この日、近所の家で室内の高圧洗浄作業が行われていたのでその様子を撮影させていただきました。
このあと床板を外して洗うかどうかは分かりませんが、この日はこの作業で終えたようです。
また、この日は弘前を0:30に経ち、山元町に向かう途中で実家の石巻に立ち寄って石巻の惨状を見てきました。
5時頃に石巻に着き、よく行った近くの海岸、雲雀の海岸から津波後初めて海を見ました。
とても穏やかな波でありました。
手前に写っているテトラポットは新しいので被災後に置かれたものでしょうね。
海の中に置かれたテトラポットは無くなっていると思っていましたが、でこぼこにはなっていますが残っていたことには驚きです。
日和大橋前で門脇方面に曲がり、視界に入ってきたのは、なぜかある水面と文化センター、石巻市立病院の建物です。
この水面は地盤沈下により流れ込んだ海水かと思います。
満潮が2時頃ということでしたが、その時に溜まった海水が引ききれずに残っているのではないでしょうか。
破壊された建物、そしてこの水面と惨状には愕然とします。
石巻市立病院の正面玄関です。
ガレキは残っていますが、構造物はそのままという感じで、破壊されたという感じではありませんでした。
写真中央部分が実家があったであろうと思われるところです。
5月に兄が見に来たときにはガレキが山積みとなっていた、ということですので、そのガレキは撤去されたようです。
この少しくぼんだ感じの、水が溜まっている部分が家があったところと思います。
我が家の痕跡らしきものは、わずかに残るブロック塀の痕跡のみです。
建物が無くなったせいで、実家から、被災前は見ることができなかった小学校が見えるようになっていました。
小学校の頃はそうは思っていなかったのですが、本当に近く、そして大きく見えました。
校庭のガレキは撤去され何も無い状態でしたが、黒く焼け焦げた校舎はあまりにも無惨です。
そういえば、35〜6年位前の石巻高校時代、母校である木造の門脇中学校が出火して黒い魚の骨状態になりましたが、今度は門脇小学校が被災することとなりました。
門脇小学校は鉄筋コンクリートのためこんな姿になって残ることとなりました。

門脇小学校からの動画です。
山元町の自宅だけではなく、生まれ故郷石巻も破壊した津波の恐ろしさを改めて実感しました。
ところで、室内で作業を見ていると家の前の細い道路を結構早く通り過ぎる車がありました。
屋根の上に何かを積んでいるプリウス。
直感的にストリートビューを撮影している車ではと思い、家から飛び出し、撮影しようとしましたが、既に角を曲がり、かなり先のほうを走っていました。
わずかに撮影できた1枚です。
果たして本当にストリートビュー撮影車なのか?
そのうちアップされれば答えが出るものと思います。

ページトップへ

inserted by FC2 system